正しいケア方法
コンタクトレンズのケアを怠ると、レンズが汚れ、トラブルの原因になります。お子さまの目のために正しいケア方法を習慣づけましょう。
レンズケア用品(化学消毒液)について
現在、ソフトコンタクトレンズのケア用品にはマルチパーパスソリューションといわれるタイプや、中和して使うタイプなどがあります。
ご使用のレンズ、目の状態によっては使えないものもあります。必ず眼科医で指示されたものをお使いください。
トラブルについて
コンタクトレンズは、大切な目に直接使用するものです。間違った使い方をしたり、「今日だけはいいや」とケアを怠っていると、取り返しのつかないトラブルにつながります。コンタクトレンズを正しく清潔に使っているか、目に充血などの異常はないか、普段からお子様のレンズケアや目の状態をチェックしてあげてください。
トラブルケース①
角膜血管新生(かくまくけっかんしんせい)
18歳・男性・高校生
「コンタクトレンズをしたままついつい朝まで寝ちゃう…。
でも平気だと思っていました。」
Dr.sアドバイス
コンタクトレンズを装用したまま眠ったときや、目に合わないレンズを使用しているときに起こりやすいトラブルです。角膜の酸素不足が原因で、もともとは血管のない角膜に、酸素を供給するために血管が伸びてきた状態です。自覚症状がないため、気づかない間に進行することがあります。目には酸素が大切だということを忘れないでください。眼科医の指導を守って、レンズは正しく使用しましょう。
トラブルケース②
巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)
18歳・女性・高校生
「汚れたコンタクトレンズを使ってるなんて
思っていませんでした」
Dr.sアドバイス
コンタクトレンズに付着した汚れが原因で、アレルギー性結膜炎を起こし、まぶたの裏にブツブツ(乳頭)ができます。一番の特徴はかゆみです。さらに、まばたきのたびにブツブツがレンズを持ち上げるので、(レンズが)上にずれやすくなります。レンズはいつも清潔に保つようにしてください。
トラブルケース③
角膜浸潤(かくまくしんじゅん)
15歳・女性・中学生
「コンタクトレンズをつけなおす時間がなくて、
そのままにしちゃってたら…」
Dr.sアドバイス
「角膜浸潤」とは、コンタクトレンズについた汚れなどが原因で角膜に炎症を生じ、白血球が集まっている状態をいいます。ゴロゴロした不快感や痛みをともないますが、レンズを装用するとおさまってしまうことがあり、異常を見逃しがちです。汚れたレンズをそのまま装用しつづけて、症状を悪化させてしまうケースも。目に違和感や充血などの症状があるときは、レンズの使用をただちに中止し眼科医の検査を受けてください。
コンタクトレンズを正しく使いましょう
トラブルは、慣れたころが要注意!
コンタクトレンズを使い始めたことは正しく使っていたのに、慣れてくると装用時間もケアもいい加減になりがちです。友達のレンズを借りて使うというような、大人の想像もつかない使い方をしているケースも見られます。また、手洗い不足も気になります。手の汚れは水だけでは落ちません。必ずせっけんでよく洗ってください。トラブルの要因のほとんどは、間違った使用方法や手抜きケアによるもの。ぜひ周囲の大人が注意を呼びかけてください。
充血、痛みの自覚症状は目からのSOSです
コンタクトレンズによって目に何らかの異常を体験した人の多くが、充血と痛みを感じています。ついつい「これくらいはガマンできる」と虫しがちですが、重大なトラブルのサインであることが多いのです。甘く見ずに早めに眼科医に相談するようアドバイスしてあげてください。
定期検査がトラブル防止の近道です
しかし初期の段階では自覚症状がないトラブルもあります。また、近視の進行や目の形状のへんか 、こんたくとレンズ自体の変化などによって、ご使用中のレンズが、いつの間にか目に合わなくなっていることもあります。お子さまの目の健康を守るために、必ず定期検査を受ける習慣をつけていただきたいと思います。