せき眼科医院では、白内障のほか、緑内障、眼瞼疾患についても日帰り手術を行なっています。
白内障の日帰り手術
せき眼科医院では、重篤な全身合併症がなく手術後の通院に問題がない患者さんについて、日帰り手術で白内障のほか緑内障やまぶたの手術を行なっています。
過去の手術実績はこちら。
せき眼科医院では、日帰り手術であっても夜間などの急変時に早期対応できるように、手術患者さん全員に、医師が所持する緊急連絡用の携帯電話の番号をお伝えしております。
入院手術を御希望の方、全身状態に不安がある方、眼の状態のため特殊な手術機器が必要になりそうな方には、入院できる医療機関への御紹介を相談させて頂いています。
当院医師(関 正明)が新潟医療センターで執刀する場合や、 新潟大学医歯学総合病院やその他の医療連携施設(新潟市民病院、済生会新潟第二病院など)に手術を依頼する場合があります。
白内障の手術前検査
白内障の手術を受ける前には、手術が問題なく行えるかを調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、さまざまな検査を行います。
視力、眼圧、屈折検査
眼底検査
網膜の状態を調べる
細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査
水晶体の濁りの状態を調べる
角膜内皮細胞検査
角膜の内皮細胞が減っていないかを調べる
眼軸長検査
眼内レンズの度数を決める
問診、血液検査 など
※水晶体の濁りが進行している場合は、網膜の電気的検査、超音波検査なども行います。
白内障の手術
濁った水晶体を取り除き、かわりに人工の眼内レンズを入れます。
通常は超音波白内障摘出術を行います:約3 mmの切開創から眼内に細い器具を入れ、濁った水晶体を超音波で小さく砕きながら吸い出します。その際、水晶体を包んでいる袋(水晶体嚢:すいしょうたいのう)は残します。この袋の中に眼内レンズを入れて終了です。進行した白内障の場合、8~12 mmの切開創から水晶体を丸ごと取り出してくる場合もあります。
手術時間は合併症がなければ約10~15分。局所麻酔により、ほとんど痛みを感じず手術が終わる方が大半です。
・背もたれが動く椅子に座って仰向けに近い状態になります。眼の周り・まぶたの内側を消毒した後、眼の部分だけ穴の開いた布が顔にかかります。瞼を開ける小さな器具を装着して手術開始です。
・手術中は顕微鏡の光でまぶしいです。細かい手術ですので、眼や体を急に動かさないようにしてください。万が一、痛みや気分の不快などがあれば、我慢せず言ってください。
手術後の見え方
保険診療による通常の眼内レンズの場合
・もともと裸眼で遠くが眼鏡なしでよく見えた方 → 手術後も老眼鏡が必要になることが多いです。 ・もともと近眼で眼鏡をかけている方 → 眼内レンズの度数調整により、近眼を少なくします。遠く用のメガネが必要になる方もいます。
先進医療による多焦点眼内レンズの場合
眼内レンズの種類と見え方
眼内レンズは、白内障手術で取り出した水晶体の代わりとなる人工の水晶体です。ピントがひとつの単焦点と、ピントが複数ある多焦点の2種類があります。 患者さんがこれまでどのような時に眼鏡を使用していたか、仕事内容・趣味などについてお聞きし、お一人お一人のライフスタイルに合うであろう度数の眼内レンズを挿入しています。その結果、大半の患者さんは、眼鏡を必要なときに使用していただくことで不便なく日常生活を送られ、白内障手術の結果に満足しておられます。 当院(せき眼科医院)の白内障手術では標準として単焦点眼内レンズを使用していますが、適応があれば多焦点眼内レンズを選択することも可能です。 目の病気:白内障
単焦点レンズ
単焦点眼内レンズにはピントを合わせる調節力がありません。遠くに合わせると近くが見えなくなり、近くに合わせると遠くが見えなくなります。手術の前に生活スタイルに合わせるおおよその距離を決める必要があります。
単焦点レンズの見え方のイメージ図
*遠くにピントを合わせた場合
- 遠くの風景○
- 手元の文字×
*近くにピントを合わせた場合
- 遠くの風景×
- 手元の文字○
多焦点レンズ
多焦点眼内レンズは、単焦点眼内レンズと異なり、遠くと近くの両方にピントを合わせることができます。イメージ図のように、遠くの風景や手元の文字にもピントが合うようになります。
よりしっかりピントを合わせたいときには、メガネを装用したほうが楽に感じる場合もありますが、メガネをかけたり、はずしたりする回数が減ることで、活動的な生活を送る一助となります。
多焦点レンズの見え方のイメージ図
- 遠くの風景○
- 手元の文字○
眼内レンズの比較表
○△× は眼鏡なしでの一般的な物の見え方の評価です。
単焦点 | 多焦点 | ||
---|---|---|---|
遠くに合わせた場合 | 近くに合わせた場合 | ||
遠方距離(∞)の見え方 | ○ | × | ○ |
中間距離(1~3m)の見え方 | △ | △ | △ |
近方距離(30cm)の見え方 | × | ○ | ○ |
グレア・ハロー現象 | 単焦点に比べて多焦点の方が感じる頻度が高い | ||
コントラスト感度(濃淡の変化を見分ける力) | 単焦点に比べて多焦点の方が不良の傾向が強い |
多焦点では、遠方・近方に比べ、中間距離(1~3m)が見えにくく感じる方もいらっしゃいます。当院(せき眼科医院)で手術された患者様でも術後、中間距離用の眼鏡を作成した方もおられます。しかしながら、多くの方は眼鏡無しで快適に日常生活を過ごしておられます。 ※グレア・ハロー現象について 強い光源を見た場合に光を眩しく感じる事(グレア)や光の周辺に輪がかかって見える事(ハロー)が起きやすくなります。個人差はありますが手術後の時間経過とともに慣れてくるといわれています。この発生頻度は、多焦点眼内レンズでは、単焦点眼内レンズに比べて高いことが報告されています。
※多焦点眼内レンズの挿入を希望された場合でも、眼の状態の診断結果によって選択できない場合もあります。ご不明な点は、診療医師にお問い合わせください。
白内障手術の費用
保険診療による通常の眼内レンズの場合
白内障手術(水晶体再建術)の費用は自己負担割合によって変わります。自己負担割合は年齢・所得などにより変わってきます。自己負担が全くない方もおられます。片眼の手術では、手術当日の検査・投薬を含めて、1割負担の方では14,000円、3割負担の方で約45,000円です。
とくに両眼の手術をされる場合などは、高額療養費制度が適応され還付(払い戻し)の対象となることがあります。高額療養費制度では、70歳以上かどうかや所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められています。 厚生労働省のホームページに詳細が記載されています。
自己負担額の計算は月ごとになるので、両眼の手術を行う場合、同一月に手術を受けるほうが高額療養費制度の恩恵を受けられることが多いです。
これら自己負担割合やご本人が支払う医療費の上限は、患者さんの条件によって細かく分類されていて分かりにくいですので、せき眼科医院では患者さんごとに説明させて頂いております。
また、生命保険に加入されている方の場合、「手術給付金」が支給されることもあるので、加入されている生命保険会社さんにお問い合わせした方が良いでしょう。
先進医療による多焦点眼内レンズの場合
当日の流れ
手術は全て事前予約が必要となります。
視力検査などをしてから、2階の休憩室で血圧など全身状態のチェックをします。 | |
術後早期の感染症から眼を守るために、点眼液の正しい使用方法、入浴・洗顔等に関する注意点を詳しく説明させて頂きます。 | |
術前点眼などの準備をした後、手術室に入り消毒を行います。 | |
手術時間は通常約10~15分。局所麻酔により、ほとんど痛みを感じない方が大半です。万が一、痛みや気分の不快などがあれば、我慢せず仰って下さい。 | |
眼軟膏を点入して眼帯をします。眼帯は翌朝の診察まで外さないで下さい。 | |
術後の注意点を再度ご説明いたします。足元に注意してご帰宅下さい。 | |
万が一、痛みなどがあれば、せき眼科 緊急連絡用携帯電話に御連絡下さい。 |
手術後の経過と養生
手術の翌日の診察時まで眼帯は外さないで下さい。万が一、痛みなどがあれば、せき眼科 緊急連絡用携帯電話に御連絡下さい。
手術直後は目がゴロゴロしたり、赤くなったりなどの症状が出ることもありますが、2週間以内に改善することが多いです。手術後1〜3ヶ月は、手術で起きた炎症を抑え、感染を防ぐために点眼薬を使用します。
手術の翌日からでも、テレビを見たりしてもかまいせん。仕事への復帰は早い時期にできますが、患者さんの仕事の内容などによって違ってくるので、医師に相談してください。ウォーキングは3日間、ジョギングは1週間、テニスなどは2週間、水泳は4週間程お休みして頂いていますが、競技レベルによっても異なりますので、手術後のスポーツの実施についても医師に相談して下さい。